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Activities活動内容

ハノイ医科大学とのPrEP実践を巡る意見交換会

SATREPS J-GRID  2019年9月11日 

ACCとハノイ医科大学との間で、PrEP(暴露前予防内服)の実践者同士プラクティカルな課題を話し合う意見交換会が開かれました。ハノイ医科大学においてPrEPを提供する、Sexual Health Promotion(SHP)クリニックを運営するチームを率いるLe Minh Giang先生を筆頭に、国立熱帯病病院(NHTD)の医師や看護師のみなさん、SHPクリニックを支援しているアメリカCDCの専門家など多くの方々が参加しました。日本、ベトナムだけでなく世界のPrEP事情について活発に議論されました。

日本のPrEP実施状況を共有する水島医師

日本のPrEP実施状況を共有する水島医師

意見交換会では当センター水島医師が日本での実施状況も踏まえたPrEPの実践状況と課題について、塩尻医師がPrEP実施と並行して注意すべき性感染症について発表しました。また、ACCがNHTDと共同で実施しているHIVコホート研究で得られた知見も共有されました。ハノイ医科大学からはGiang先生にSHPにおけるPrEPの実践とその成果を検証する研究プロジェクトについて、説明と進捗を発表いただきました。PrEPという手法は基本的に同じでも、状況は国によって千差万別です。日本では普及に向けた取り組みが始まってそれほど間がないところですが、ベトナムでは各国ドナーの支援もあり、パイロットとしての取り組みが広がっています。

ハノイ医科大学研究プロジェクトについて話されるGiang先生

ハノイ医科大学研究プロジェクトについて話されるGiang先生

PrEPは近年HIV新規感染者として増加しているMSM(男性同性愛者)が主要なターゲットであり、時にLGBTとして偏見の眼差しが向けられる彼らがどうしたらクリニックに来て、継続的にプログラムに参加してくれるか、なども世界共通の課題です。クリニックのフレンドリーな雰囲気づくり、SNSの活用、ピアグループからの呼びかけなど、ベトナムのSHPクリニックおける様々な工夫を知る貴重な機会となりました。

SHPクリニックスタッフと

SHPクリニックスタッフと

SATREPSプロジェクトで期待される成果の一つに、PrEP失敗例の原因分析があります。ハノイ医科大学のMSMコホート対象としたPrEPプログラムやSHPクリニックと協力し、PrEP参加者の血中薬剤濃度の測定、PrEPを実践したにも関わらずHIVに感染してしまう事例の原因研究(薬剤耐性ウイルスの分析)を行い、より効果的なPrEPプログラムに寄与することを目指しています。