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Activities活動内容

地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)
ベトナムにおける治療成功維持のための”bench-to-bedside system”構築と新規HIV-1感染阻止プロジェクト

 

日本医療研究開発機構(AMED)と国際協力機構(JICA)が共同で実施する地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)のもと、2019年より「ベトナムにおける治療成功維持のための”bench-to-bedside system”構築と新規HIV-1感染阻止プロジェクト」を実施しています。本プロジェクトはエイズ治療・研究開発センター(ACC)と国立大学法人熊本大学 ヒトレトロウイルス学共同研究センターが参画しています。

1) 抗HIV療法モニタリングシステムの構築
北ベトナムにある10の地方病院と国立熱帯病病院をむすぶ血液検体輸送システムおよび抗HIV療法モニタリングシステムを構築し、HIV感染者のウイルス量と薬剤耐性を定期的に確認します。治療現場で迅速に検査データを活用することで、適切な治療薬の選択などより効果的な治療の提供を目指しています。

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2) 曝露前予防内服(PrEP)の効果検証
ハノイ医科大学で実施しているHIV曝露前予防内服(PrEP)プログラムの参加者を対象に、PrEPの失敗事例(HIV感染事例)と薬剤耐性ウイルスや服薬アドヒアランスの関連を調査し、ベトナムにおけるPrEPの有効性を評価しています。

3) HIVワクチンの設計に向けた基礎医学的な分析
熊本大学が担当する課題です。ハノイ医科大学の男性同性愛者(MSM)コホートを用いて、HIVに曝露したHIV非感染MSMの細胞性免疫能を検証し、エイズワクチン抗原の設計に役立つ抗原情報の収集を目指します。

4)救済ARTのウイルス学的効果の評価
ARTを受けているHIV感染者のうち、治療失敗している患者を対象に救済ARTレジメンの効果や救済ART開始前後の薬剤耐性変異のパターンを前向きに評価しています。同時に救済ARTのニーズを把握するため、HIV診療施設におけるART失敗率についても調査しています。

5)新型コロナウイルス感染症のHIV診療体制および HIV感染者へのインパクト評価
2020年6月より、COVID19のHIV診療体制への影響、及びHIV感染者への社会心理的な影響に関する調査を実施しています。SATREPSプロジェクト対象病院のうち、COVID19のアウトブレイクが発生した地域にある施設に通院するHIV感染者を対象にアンケート調査と抗体保有率を調査しています。

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