ベトナム感染症・HIV/AIDS学会にて研究発表とPrEPに関する研修会(CME)を実施しました。
SATREPS J-GRID 2019年9月12日
9月12日~14日、クアンニン省ハロン市において、ベトナム感染症・HIV/AIDS学会の年次総会が開かれました。同学会は、ACCの研究協力機関である国立熱帯病病院(NHTD)が運営している学会です。毎年ベトナム全国の感染症専門家、医療従事者、海外の研究機関やドナー機関などが集まり、Continuing Medical Education (CME:医療従事者のための継続教育)セッションや学術報告が行われます。今回ACCのスタッフが学会に参加しました。
多くの参加者で賑わう会場
学会に先立ち開かれたCMEセッションでは、水島医師が「日本での実施状況も踏まえたPrEPの実施管理」を、塩尻医師が「PrEP実施と並行して注意すべき性感染症」の講義を行いました。
CMEセッションでの講義を行う水島医師
出席者へのCME修了証書授与
研究発表では、上村医師が「HIV/AIDS患者のC型肝炎自然治癒に関する要因」、及び松本研究員が「HIV/AIDS治療の医療保険適用への移行に伴うHIV感染者の懸念と課題」について、それぞれ研究成果を発表しました。日々現場で患者さんと向き合う医療従事者の方々と活発な意見交換がなされ、ベトナムHIV診療の現状について理解を深めることができました。
研究発表する上村医師
NTHDのThack新院長や先生方と
SATREPSプロジェクトで期待される成果の一つに、PrEP失敗例の原因分析があります。ハノイ医科大学のMSMコホート対象としたPrEPプログラムやSHPクリニックと協力し、PrEP参加者の血中薬剤濃度の測定、PrEPを実践したにも関わらずHIVに感染してしまう事例の原因研究(薬剤耐性ウイルスの分析)を行い、より効果的なPrEPプログラムに寄与することを目指しています。