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Activities活動内容

6NCリトリートで、ベトナムにおけるACCの研究活動が発表されました。

SATREPS J-GRID  2023年5月9日 

 2023年4月22日、第31回日本医学会総会のサテライト企画として開催された6NCリトリート*1で、小泉吉輝医師がベトナムにおけるACCの研究活動について発表しました。「6NCが拓く新たなサイエンスの地平」と題されたポスターセッションでは、18におよぶ様々な分野の若手研究者および医療従事者が自身の研究成果を発表し、専門以外の分野の知見を深める機会となりました。

 ACCでは、日本医療研究開発機構(AMED)「新興・再興感染症研究拠点形成プログラム(2005~2009年度)」「感染症研究国際ネットワーク推進プログラム(2010~2014年度)」「感染症研究国際展開戦略プログラム(2015~2019年度)に基づき、2007年より国立熱帯病病院とバクマイ病院にHIV感染者コホート(ハノイコホート)を設立しました。ハノイコホートを基盤にベトナムHIV感染者における治療成績・薬剤耐性ウイルスのほか、抗レトロウイルス薬の副作用(腎障害、脂質代謝異常、小児の骨異常など)やメンタルヘルスなど多岐に渡る臨床研究を実施しました。研究成果はWHOやベトナム保健省エイズ予防局(VAAC)、その他海外ドナー(CDC等)にも共有されました。*2

 さらに、2019年からは国際協力機構(JICA)とAMEDの共同プログラム「地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)*3」が開始され、北ベトナムの11の病院へとコホートを拡大しました。ウイルス量や薬剤耐性試験結果などの臨床情報をクラウド上のデータベースに保存し、それらを各施設と共有することで、検査結果を生かしたHIV診療を推進しています。SATREPSでは共同研究の成果を途上国の社会問題解決に活かすことを目指しており、これまで以上に人材交流や人材育成にも力を入れています。また、VAACともより一層連携を深め、研究成果から導き出した提言が実際に政策に活かされる事を目標としています。

 6NCリトリートでは、小泉医師の発表によるACCの長年にわたるベトナムでの研究活動について多くの参加者が熱心に聴講されていました。国立国際医療研究センター(NCGM)は、グローバルな健康課題に対する人材育成や研究活動を推進しています。ACCはこうしたNCGMのミッションに沿って、今後もベトナムにおける研究活動と国際協力を進めて参ります。

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小泉医師のポスター発表

*1我が国の6つの国立高度専門医療研究センター(ナショナルセンター(NC):国立がん、国立循環器、国立精神・神経、国立国際、国立成育、国立長寿)の研究者・医療者が直接交流できる機会として開催(6NCリトリート ポスターセッション)

*2JGRIDの活動内容参照:感染症研究国際展開戦略プログラムJ-GRID

*3SATREPSの活動内容参照:地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)