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Activities活動内容

プロジェクトの進捗を議論する第2回合同調整委員会を開催しました

SATREPS  2022年1月14日 

 2019年4月から始まった「ベトナムにおける治療成功維持のための”bench-to-bedside system”構築と新規HIV-1感染阻止プロジェクト」は今年で3年目を迎え、5年間の研究期間の折り返し地点を回ったところです。この間、私達は新型コロナウイルス感染症と闘いながら、様々な工夫を凝らしつつ活動してきました。2022年1月14日(金曜日)、これまでの活動の進捗や課題、今後の計画を共有するため第2回合同調整委員会(JCC:Joint Coordination Committee)を開催しました。会議にはプロジェクトのメインカウンターパートである国立熱帯病病院(NHTD)をはじめ、ハノイ医科大学、ベトナム保健省エイズ予防局(VAAC)、熊本大学、国際協力機構(JICA)本部・ベトナム事務所や日本医療研究開発機構(AMED)から、40名弱が参加しました。

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会議室からの参加も、定員の3分の1以下になるよう注意しています。

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感染管理上、ベトナムでも1か所に大人数が集まらないよう分散して会議に参加しました。

 プロジェクトコーディネーターを務めるNHTDのGiang医師とハノイ医科大学のGiang教授からの進捗報告の後、多くの参加者からプロジェクトの成果や課題に対する質問やアドバイスを頂きました。2020年に続き2021年も日越双方の往来ができず、NHTDは新型コロナウイルス感染症対策に奔走せざるを得ませんでしたが、その一方、プロジェクトで築いた地域病院との繋がりにより、HIV診療モニタリングを行うパートナー病院は6施設加わり、10病院に拡大しました。また、コロナ禍に対応したHIV治療における新型コロナウイルスの影響調査、HIV感染者の新型コロナウイルス抗体検査などの新たな活動では、新型コロナウイルス感染症がHIV診療に与える影響を理解する有意義な発見がありました。

 プロジェクトの活動は残すところあと2年。会議では、今まで構築してきた抗HIV療法モニタリングシステムや薬剤耐性検査に基づく診療レポートの返却体制をどのようにベトナム側に引き継いでいくかが焦点となりました。抗HIV療法モニタリングシステムによって、定期的にNHTDで実施されるウイルス量検査や薬剤耐性の検査結果が迅速に地域病院と共有できるようになってきています。また、ACC医師が中心となり進めている薬剤耐性検査に基づいた適切な治療レジメンに関する診療レポートは、各地域病院へタイムリーに返却され、日常の臨床現場でも有効活用されています。現在これらの活動はプロジェクトが主に管理・運営していますが、今後どのようにベトナムへ移行し政策へ反映させていくかは重要な課題の一つです。会議ではこの点について、NHTDやベトナムのHIV/エイズ対策の要であるVAACの方々から積極的なコメントを頂くことができました。

 プロジェクトの成果をもとにベトナムHIV/エイズ対策に持続的に貢献できるよう、今後も新型コロナウイルスの影響に負けず、ベトナムの方々と協力し活動を続けていきます。