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Activities活動内容

PCR検査技術に関するラボ実地研修を開催しました

SATREPS  2022年12月5日 

 2022年9月4日から9月9日まで、プロジェクト・カウンターパートである国立熱帯病病院(NHTD)ラボにおいて、林田庸総研究員がベトナムにJICA短期専門家として出張し、プロジェクトのラボ担当者にとどまらずNHTDラボの検査担当者を対象としてラボ検査技術の実地研修(OJT)を実施しました。コロナによる行動制限下でもオンラインでのラボミーティングやベトナム側検査技師の訪日研修などは継続してきましたが、訪越による研修はコロナ禍による渡航困難時期を経て、実に約3年振りの開催となりました。
 初めに、林田研究員によるHIVウイルスのPCR、遺伝子検査、そして遺伝子検査結果の系統樹分析などについての基礎的な講義が行われました。

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訪越研修への関心は高く、プロジェクト担当者以外のNHTDラボ技師や
NIHEのPCR担当者など多くの参加希望が寄せられました。

 次いで、実際にサンプルを用いてPCR検査を実施しつつOJTを行いました。今回はベトナムで最も遺伝子検査の経験が多い研究機関の一つ、NIHE(National Institute of Hygiene and Epidemiology)のHIV/AIDS検査室からの参加も加わり、PCR検査の各段階についてOJTを通じて技術の伝達を図るとともに、検査結果を検討し、改善点や様々な技術的な議論を行いました。

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OJT参加者はいずれのプロセスについても手技を熱心に観察していました。

 検査室の作業では測定が必ずしもうまくいかない事態も発生します。問題の原因を追究し、どの過程で齟齬が出て、どう改善したらよいかを発見するといった、トラブルシューティングのコツを学ぶこともOJTならではの取り組みの一つです。
 プロジェクトが後半戦に入る今、今回はトレーニングと言いながらも、実際のサンプルを検査する作業を積み重ねながらの学びという形をとりました。プロジェクト期間中は勿論のこと、今後薬剤耐性検査がより普及した際にはカウンターパートの検査技師たちが検査ニーズに対応できるようになることが、ベトナムの持続可能な発展を願うプロジェクトの目指すところです。

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検査結果を踏まえて活発な議論が行われました。