ハノイ医科大学で曝露前予防内服(PrEP)に関する研究報告会を開催しました
SATREPS 2023年2月9日
2023年1月16日ハノイ医科大学で、 Output2の 曝露前予防内服(PrEP)服用者の抗ウイルス薬(ARV)血中濃度測定方法の確立に関する研究の進捗状況と今後のベトナムで の活用可能性を探る研究会を開催しました。
曝露前予防においても、ARV薬を指示通りに服用すること(アドヒアランス)が効果の要(かなめ)となります。従来、指示通りにきちんと内服できているかどうかは利用者に服用状況を聞き取ることで把握していました。今回、PrEP プログラムに参加して ARV(抗ウイルス薬)を飲んでいる人たちを対象にろ紙に血液をしみこませて乾燥した郵送可能な乾燥ろ紙血検体を用いて、血中にどれくらい薬剤濃度が保たれているか測定する方法を確立する研究の進捗が報告されました。
ハノイ医科大学と日本側をオンラインでつないだハイブリッド形式で開催しました
確度の高いARV薬血中濃度測定が可能になれば、より高頻度かつ確実なアドヒアランスの把握が可能になり、PrEPの効果を高めることにつながります。質疑応答においては、測定方法を巡って活発な議論が行われ、さらには今後ベトナムでこの技術を活用するにはどのような設備が必要か、測定をどのようにすべきかについても議論されました。
今回の発表者Tran Trung Hieuさんは、SATREPSプロジェクトが開始された2019年から熊本大学博士課程に留学して研究を進めてきました。来日後まもなく新型コロナが猛威を振るい始めたためベトナムへの一時帰国の機会がなかなか無く、今回3年以上ぶりにようやくハノイへ一時帰国を果たすことができました。この時期の日本での学業は、コロナ禍の行動制限の中での外国での生活ということで本当に大変だったことでしょう。博士課程修了に向けて、今後の更なる活躍に期待していきたいと思います。
3年越しの短い帰国ですが、祖国での旧正月にもなりました