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Activities活動内容

コロナ流行期におけるPrEPの継続とアドヒアランスに関するセミナーをハノイ医科大学と共催しました

SATREPS  2023年6月2日 

 SATREPSプロジェクトは、2019年よりハノイ医科大学(HMU)・Sexual Promotion Clinic(SHP)が確立した曝露前予防内服(PrEP)使用者のコホートを用いて、PrEPの失敗原因を検証してきました。
 HMUとの共同研究実施中に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が発生し、プロジェクトではベトナム最大のアウトブレイク時(2021年)にCOVID-19がPrEPの継続や服薬アドヒアランス、メンタルヘルス等に与える影響を調査しました。
 HMUの若手研究者Nguyen Cong Thanhさんが、ベトナム・フエで7月に実施される国際会議「メコン諸国における公共衛生に関する会議」で本調査結果を発表することとなり、6月2日に予行演習も兼ねたハイブリッド形式のセミナーを実施しました。

 PrEPの拡大が進むベトナムでPrEPの継続と服薬アドヒアランスはPrEPの有効性を維持・向上するための重要なテーマです。
 今回の調査は、SHPのPrEPコホートを対象にCOVID-19第4波の中、2021年9月から2022年1月まで実施されました。計399 人が本調査に参加し、約3分の1がCOVID-19のためにPrEPの中断を経験したと報告しました。中断の理由は「公共交通機関等の規制のため」が最も多く、中断を経験した者のうち薬の補充のために他院へ通院した者はほとんどいませんでした。 また、PrEPを中断した群はPrEP を継続した群よりも過去30日のPrEP服薬アドヒアランスが有意に低く、常時からPrEP継続の必要性を理解し、高いモチベーションが維持されていることがCOVID-19のような非常時におけるPrEP中断を防ぐことにつながると考えられます。
 さらに、PrEPコホートはHIV感染のハイリスク群である男性同性愛者やトランスジェンダーで構成されています。本調査結果から、PrEP使用者の性的志向の開示範囲が限られており、家族からのサポートが得にくい状況にいることが分かりました。これは同時期に行われたHIV感染者を対象とした調査とは異なる結果でした。
 今後、参加者のPrEP継続とソーシャルサポートやメンタルヘルスの関連など、さらなる解析を進めていく予定です。

 SATREPSプロジェクトは最終年度となり、これまでの研究成果を学会や論文など様々な形で発信していくことにも力を入れていきます。