第5回HIV薬剤耐性に関するトレーニングワークショップをハノイで開催しました
SATREPS 2023年6月30日
SATREPSプロジェクトは「科学技術協力」と呼ばれる国際協力の方式で、共同研究の成果による途上国の社会問題解決を目指しています。新型コロナの影響で中断していた期間を経て、再開したHIV薬剤耐性トレーニングワークショップも今回で5回目となりました。
今回はこれまで4回の研修で得られたコメントを踏まえ、基本テーマである薬剤耐性に加えて、結核及び肝炎との重複感染、近年ニーズが高まっているメンタルヘルスの問題を抱えるHIV感染者への対応、薬剤耐性検査結果の解釈及び薬剤選択へのフィードバックについて、前半に講義、後半にパネルディスカッションという形式で実施しました。
中でも、メンタルヘルスの問題を抱えるHIV感染者への対応は、参加者からの要望が多かったために取り上げたテーマです。ベトナムにおいてもメンタルヘルスの重要性が広く認知されるようになってきましたが、中進国化する状況下でも社会・経済的に苦しい状況に陥りやすいHIV感染者の心の健康をいかにサポートするか、サポートをいかに適切かつ継続的な薬の服用に繋げるか、専門家が講義を行いました。
後半では、アドヒアランス支援と耐性検査結果に基づいた薬剤選択に関して、プロジェクトに参加している地方病院からの出席者がパネラーとなって症例を紹介し、パネルディスカッションを行いました。地方病院発の課題について自分たちの手で積極的に提案、検討にあげるようになったことも成果といえるでしょう。
パネルディスカッションでは、プロジェクト参加地方病院の出席者が
パネラーとなって症例を紹介しました。
多くの参加者が自信を持って自らの意見を発表しており、
活発なパネルディカッションとなりました。
ワークショップ終了後の集合写真。
終了後、これまでの5回に渡る研修への参加に感謝の意を表すと共に、ベトナムにおける医療継続教育の一環として参加者に活用していただくべく、修了証書を参加者に手渡しました。今後の臨床現場において一連のワークショップから得た知識の活用が期待されます。