田沼順子医療情報室長がベトナム世界肝炎デーシンポジウムで講演しました

SATREPS  2023年7月28日 

 世界保健機関（WHO）は、2010年に世界的レベルでのウイルス性肝炎のまん延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消や感染予防の推進を図ることを目的として、7月28日を“World Hepatitis Day（世界肝炎デー）”と定め、肝炎に関する啓発活動等の実施を提唱しました。これを受けて、ベトナム肝疾患学会は、世界肝炎デー記念シンポジウムを毎年開催しています。

 今年はベトナムにおける肝炎、肝硬変、肝がんに関する進歩を共有することを目的に、長くHIV感染者のコホート研究でエイズ治療・研究開発センター（ACC）と協力を続けてきた国立熱帯病病院新病院を会場としてハイブリッド形式で開催されました。オンサイトで約300名が参加し、オンラインと合わせて約650名がシンポジウムに参加しました。

 ACCの田沼順子医療情報室長が招聘を受け、「Multicenter Observational Study on HIV/Hepatitis Co-infection in Northen Vietnam（北ベトナムにおけるHIV/肝炎共感染の多施設共同観察研究）」と題した新たな研究計画を発表しました。ウイルス性肝炎はリスク因子や予防啓発の戦略がHIV感染症と似ていることから、同時に対策を進めることが重要かつ効果的であると言われています。ベトナムにおけるHIV/HCV対策の効果的な統合に向けた基礎データの取得を目指し研究を進めていく予定です。