「世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)」日本委員会議員タスクフォース・ベトナム視察団がプロジェクトを来訪しました
SATREPS 2023年9月5-9日
「世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)」は、多国間の枠組みで、HIVの撲滅に向けた取り組みに最も大きな役割を果たしている機関の一つです。日本はグローバルファンドの誕生に深く関わったに留まらず、現在もドナー国として積極的な貢献を続けています。
2023年9月5日-9日、グローバルファンドの活動を日本から支える日本委員会の国会議員メンバーの視察団が、グローバルファンドによる支援とJICAによる支援の相乗効果をより図るべきだとの観点から、ベトナムでの視察を実施されました。逢沢一郎衆議院議員、高木まり参議院議員、田村まみ参議院議員を始めとした視察団は、9月8日にSATREPSプロジェクトのカウンターパートである国立熱帯病病院(NHTD)とハノイ医科大学(HMU)を訪問しました。
NHTD訪問においては、熱帯病病院院長、保健省HIV/AIDS予防局、視察団団長の挨拶に続き、NHTDのTran Van Giang医師から病院紹介、次いでACC田沼順子医療情報室長からSATREPSプロジェクトの位置づけ及び活動紹介がなされました。グローバルファンドは長年抗ウイルス薬(ARV)を提供し、ベトナムのHIV治療に多大な貢献を続けてきました。SATREPSプロジェクトでは提供されたARVの服用状況を確認し、ウイルス量検査や薬剤耐性検査を実施しています。こうしたドナー同士の連携が治療効果の担保に重要な役割を果たしていることが説明され、活発な意見交換が行われました。
日本の現状なども踏まえてプロジェクト活動をプレゼンテーションする田沼順子医療情報室長
説明後ラボを訪問し、支援された機材の使用状況を視察しました。
ラボの見学ではプロジェクトで供与された資材の稼働状況も話題に
次いでハノイ医科大学に移動し、同大学が実施するHIV対策について説明を受けたのち、大学内Sexual Health Promotion(SHP)クリニックを訪問しました。SHPクリニックでは、男性間性交渉者などのHIVハイリスクグループを対象とし、PrEP(曝露前予防内服)を実施しています。ベトナムでは、コミュニティー団体なども巻き込んだ先進的なHIV予防の取り組みが行われており、日本にとっても学ぶべきところが多い訪問となりました。SATREPSプロジェクトでは、SHPに通院するPrEP使用者におけるPrEP薬の血中濃度測定やPrEP使用中にHIV感染した方の薬剤耐性検査を実施し、PrEPの有効性の検証を行っています。
クリニック見学時に薬剤を手に取り説明を受ける逢沢議員団長と高木まり議員
今回の視察は、日越国交正常化50周年の節目の年に日越のパートナーシップをより強固なものとするものとなりました。SATREPSプロジェクトも残り約半年となり、プロジェクトの成果と見えてきた課題を整理し、ベトナム保健省や開発パートナーに積極的に共有していきたいと思います。
日本大使館、JICA担当者も含め全員で記念撮影
(写真提供:(公財)日本国際交流センター)