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ベトナム医療ナウ ベトナム保健省大臣の解任案が可決、大臣職は暫く空白に他2本

ブログ  2019年11月26日 

男性同性愛者(MSM)でのHIV感染者、引き続き増加傾向
(2019年11月8日TuoiTre電子版1、写真も同サイトより)

 

 11月8日、保健省HIV/AIDS予防局(VAAC)Long局長によると、 「HIV新規感染者の20%はMSM、2025年にはこの比率が40%にもなると懸念。以前はHIV感染者全体に占めるMSMの割合は3-5%であったが、今では10-15%に。特にMSMの感染者中、約30%はここ1年の間に急に増えた新規感染者」と述べ、特にホーチミン市、ビンズオン省、ハノイ市などで増えるMSMのHIV感染者増加に警鐘を鳴らした。VAAC調査によると、MSM感染者の平均年齢は23歳と若く、集団での性交渉に参加する率(8-11%)や麻薬使用経験者率(9‐22%)も高く、コンドームの利用率は52-76%に止まっている。現在ベトナムではPrEPによる予防の取り組みに約4,000人が参加している。

 ベトナムでも、HIV対策に関わっている関係者には既に周知の事実となっているMSMグループにおける新規感染者の増加が、このように一般紙にも報じられることによってより広く知られることとなりそうです。病気に関する知識の広がりは望ましいですが、オープンになってきたとはいえまだフェアとは言えない、ベトナムのLGBTの人たちへの見方が悪くならないようにと思うところです。

ハノイ市でのHIV感染者増加は主にMSMでの増加
(2019年11月12日Lao Dong紙電子版2

 11月12日、ハノイ市保健局Hoàng Đức Hạnh副局長は、今年9月末時点でのハノイ市内におけるHIV感染者数を22,211人(全国の10.5%)と発表、今年9カ月間で新規に感染が確認された数は1,238人と前年同期比で54.8%増とした。新規感染者の76.9%は男性で、15-24歳の感染者が18.9%と2014年の同世代の占める割合(8%)を大きく上回った。性交渉による感染が最も多く(72.4%)、同性間性交渉によるものが27.5%となった。(全体の27.5%か、性交渉感染者の中での内数かは、記事表現が曖昧で不明。)薬物使用時の注射針による感染は22.8%であった。

 ハノイ市では現在11のHIV検査を行える医療機関があり、今年9月末までに334,637回の検査が行われたという。早期発見の重要性を強調しつつ、ハノイ市保健局、及び同市プロパガンダ委員会は、12月1日にエイズデーに向けて啓蒙活動を強化していくと語った。

 これはハノイ市に限った記事ですが、ここでもMSMにおけるHIV感染が増加という話題、やはり傾向は似ているようです。全国レベルでは新規感染者数の伸びは落ち着いているという数字もある中、ハノイ市での新規感染者の大きな伸びは懸念材料ですね。ここではハノイ市のHIV検査件数にも触れられています。依然として病院での検査が多いものの「コミュニティーでの検査が41,864回」という記述があり、記事にある11カ所のHIV検査施設やコミュニティーセンターでの検査実績が含まれていると思われます。

ベトナム保健省大臣の解任案が可決、大臣職は暫く空白に
(2019年11月22日ベトナム各紙3

 ベトナム国会は11月22日、Nguyễn Thị Kim Tiến保健省大臣の免職案を賛成多数(94%)で可決した。その一方、新大臣選出は今回国会内では行われず、大臣代行は現職の二人の副大臣の内の一人が任命されるはずだが、それも「首相決定を待つ」という状態になった4

 前回ベトナム医療ナウでお伝えしましたように、保健省大臣はこれを以て正式に辞任、今後は「ベトナム共産党幹部健康保全委員会」委員長専任となることとなりました。ベトナムメディアでは彼女の免職を「やっぱり色々問題があったので任期を全うできなかった」というニュアンスで書くものと、「いや、60歳になったから普通に定年だよ」という論調で書くものと分かれていました。

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