ICAAP10の報告に引き続き、ハノイの国立熱帯病病院に通院する患者さんにおける、HIV治療薬に対する副作用の発生頻度を調べ、発表しました。
　この1年ではテノフォビル服用経験者が全体の12%から20％に増えていました。d4TやAZT服用中の方はわずかに減少していますが、d4Tによるリポジストロフィーもしくはリポアトロフィー治療変更の頻度は4.9/100人年と増えていました。治療薬の選択肢が増えているためと考えられます。また、薬剤耐性ウイルスが検出されたため、ロピナビル/リトナビルを服用開始する方も増え、消化器症状（主に下痢）が多く観察されましたが、治療変更が必要な方はいませんでした。
　今後も、実際の治療により役立つ臨床研究を続けてゆきたいと考えています。