- 第26回日本エイズ学会学術集会・総会 (2012年11月24日~26日 横浜)
- 新興再興感染症に関するアジア・アフリカリサーチフォーラム (2013年1月23日~24日 東京)
ハノイにおけるHIV感染者の腎機能障害に関する臨床的検討
水島大輔 医師 国立国際医療研究センター エイズ治療研究開発センター
ベトナムでは、WHOの2010年のHIV治療ガイドライン変更に伴い、テノフォビル(TDF)の使用頻度が近年急激に増加している。TDFに関しては、腎機能障害の副作用が知られており、特に低体重患者において顕著であると報告されている。ベトナム人は小柄な体格の人が多く、欧米人を基準にしたTDF量では腎機能障害が多い可能性があるため、ハノイのHIV患者の腎機能障害に関して調査を行った。その結果として、793名のHIV患者のうち、74名が慢性腎臓病と診断され、そのリスクとして、高年齢、低体重とともにTDFの使用などが特定された。東南アジアでは上記の様なハイリスク患者に対する定期的な腎機能評価が重要であることが示唆された。