本研究では、ベトナムハノイにおける大規模HIV患者コホートを用いて、SARS-CoV-2抗体検査とCOVID-19の心理社会的インパクトに関する質問紙調査を実施しました。 この調査は、COVID-19の第一波に伴う全国的なロックダウンが終了した直後（2020年6月/ 7月）に実施され、1243名のHIV患者が参加しました。抗体検査では、3人の参加者（0.2％）に陽性反応が見られました。質問紙調査では、第一波で抗レトロウイルス療法の中断やHIVウイルス量の悪化は見られなかったものの、COVID-19の雇用や収入、および健康リスク行動へのインパクトは大きく、これらはメンタルヘルスの悪化と関連していることが分かりました。今後もHIV患者におけるCOVID-19の影響を継続的に監視し、HIV診療やメンタルヘルス等への負の影響を最小限にするための努力が必要です。