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Activities活動内容

コロナに負けず!オンラインミーティングで薬剤耐性疑いHIV感染者のフォローアップを

SATREPS  2020年8月25日 

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、日越双方の専門家の往来ができない状況が続いています。この状況下でも、ベトナム・ハノイに残ったプロジェクトスタッフ、ベトナム研究協力機関、そして日本からの専門家がリモートで参加し、プロジェクト活動を継続しています。現場のニーズ把握や活動進捗の共有には、オンラインミーティングを活用しています。先日も、ACCスタッフとベトナムの各病院スタッフとの意見交換が行われました。

ベトナム側のオンラインミーティングの様子

ベトナム側のオンラインミーティングの様子


「ウイルス学的治療失敗」ケースのモニタリングについて説明するACC田沼医療情報室長(右)。

「ウイルス学的治療失敗」ケースのモニタリングについて説明するACC田沼医療情報室長(右)。


 抗レトロウイルス療法(ART)を受けていても、ウイルス量の減少がみられないHIV感染者について議論しました。抗レトロウイルス薬(ARV)をきちんと内服しているにもかかわらず治療効果がみられない場合には、体内のウイルスが薬剤耐性を獲得している可能性があります。遺伝子検査を実施し、ウイルスがどのARVに耐性を持っているかを確認した上で、より適切な薬の組み合わせ(レジメン)へ変更していくことが重要です。
 今回のミーティングでは、薬剤耐性ウイルスへどのように対処していけばよいか、今後そういったHIV感染者へのフォローアップをプロジェクトの研究活動としてどのように実施していくか等を、直接議論することができました。

日本、ベトナムの多地点をつないで多くの参加が得られました。

日本、ベトナムの多地点をつないで多くの参加が得られました。


日本側とのミーティングを受け、ハノイでは更に研究・活動の愛レアを議論しました。

日本側とのミーティングを受け、ハノイでは更に研究・活動のアイディアを議論しました。

 これまでベトナムの各病院と意見交換をする中で「ウイルス量が下がらない、治療効果が安定しない、薬剤耐性が疑われる」といった声が多く聞かれました。そこで、ARTを行っているにもかかわらずウイルス量が高い、「ウイルス学的治療失敗」ケースの定期的なモニタリングを、SATREPSプロジェクトとして支援していくことになりました。これは、薬剤耐性ウイルスの蔓延度の評価とその対処方法を考察する研究としての意義に加え、目の前の患者さんの治療という切実なニーズにタイムリーに応えることができ、臨床的にも大きな意義があります。
 より現場のニーズに応える研究活動、bench-to-bedsideを体現する協力体制が築けるよう、引き続き尽力していきたいと考えています。