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Activities活動内容

ベトナム医療ナウ メンタルヘルスが国家行動計画の一大テーマに

 2022年3月1日 

メンタルヘルスが国家行動計画の一大テーマに、課題は偏見と専門医の不足
(2022年2月 ベトナム各紙より)

  2022年2月7日ベトナム Vũ Đức Đam 副首相は、「2022-25 年生活習慣病(非感染症:NCD)・メンタルヘルス障害予防国家計画(Kế hoạch quốc gia phòng, chống bệnh khônglây nhiễm và rối loạn sức khỏe tâm thần giai đoạn 2022 - 2025)」に署名した。

 この計画承認を受けたメンタルヘルスに関する Tuoi Tre 紙記事1は、ベトナムでも自殺者が多いという情報2と、メンタルヘルスの重要性を報じた。その中で専門家は、新型コロナウイルス感染症の流行により直近2年間は鬱症状で通院する人の数は増えていること、その一方で「精神科」に通院すること自体への偏見は未だ解けていないと指摘した。

 また、医療の側でもメンタルヘルスに関する専門医の数は不足しており、課題は多い。103軍医病院の専門家がまとめている「メンタルヘルス:診断、治療に関する現状、課題、新たな進歩(Sức khỏe tâm thần: thực trạng, thách thức và những tiến bộ mới trong chẩn đoán và điều trị'3)」と題した調査報告によると、ベトナム国内のメンタルヘルスを専門とした病院は中央レベルで2病院・地方省に39施設あり、その他にも総合病院内に精神科がある場合も多く、決して少ないわけではない。一方、心療内科専門の医師は国民10万人中0.32人しかおらず、専門医の不足と今後の育成が課題となっている。


NHTD隣にあるバクマイ病院 メンタルヘルス研究所
 

 ベトナム人は陽気で楽観的な国民と思われることがよくありますが、その一方でメンタルヘルスに関する問題は大きくなってきていると感じます。ベトナム在住が長い現地担当者によると、国家計画レベルの大見出しに「メンタルヘルス(sức khỏe tâm thần)」いう言葉が出てきたことは、これまであまりなかったのではないかとのことでした。
 HIV感染者の治療継続の中でもメンタルヘルスへの配慮は重要な課題の一つであり、私たちのコホートでもメンタルヘルスを取り上げています。今後こうした国全体の動きの中で、メンタルヘルスがより重視されることは大変良い傾向だと考えています。
 上の写真は、ベトナム国立熱帯病病院(NHTD)隣にあるバクマイ病院 メンタルヘルス研究所を撮影したものです。