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第3回HIV薬剤耐性に関するワークショップを東京で開催しました

SATREPS  2023年1月26日 

 「ベトナムにおける治療成功維持のための”bench-to-bedside system”構築と新規HIV-1感染阻止プロジェクト」に参加しているベトナム11施設の医師や看護師・公共衛生の専門家に加え、訪日中のベトナム保健省HIV/AIDS予防局(VAAC)・国立熱帯病病院(NHTD)とともに、2022年12月9日(金曜日)午前中に「薬剤耐性HIVに関する臨床現場における対応の在り方」をテーマに東京都内で第3回目のワークショップを開催しました。
 プロジェクトメンバーがほぼ一堂に会しての日本での活動はこれが初めてで、約50名が参加しました。これまでの研究から薬剤耐性の問題をプロジェクト後半の焦点の一つと定め、昨年来の一連のワークショップ・セミナーを通じてベトナムの医療従事者の能力向上を図っています。

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日越双方の専門家による活発な議論がなされました

 今回のワークショップではこれまで学んできた基礎知識から一歩すすめ、SATREPSプロジェクトでの実際の症例を取り上げ、治療中にウイルス量が下がらないケースの薬剤耐性変異の解釈や適切な治療薬の選択、服薬アドヒアランス支援をテーマにケーススタディを行いました。また、ACCで使用している包括的情報収集ツールを紹介し、HIV治療成功の鍵である「確実な服薬」を支援するために患者背景についての詳細情報の収集が重要であると発表しました。ツールを用いることで服薬支援を行うスタッフ間の経験や能力の差を埋め、今後の情報収集を包括的かつ確実に行うことが可能になると考えています。

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ベトナム保健省HIV/AIDS予防局Huong局長

 訪日中のベトナム保健省HIV/AIDS予防局幹部からも参加を得て発表していただき、薬剤耐性HIVの問題に取り組む重要性について理解を深めました。課題は認識されているものの、ベトナムでは薬剤耐性HIVに対する臨床レベルでのガイドラインはまだありません。SATREPSプロジェクトの研究・提言が貢献できる分野として、プロジェクト終盤に向け活動の方向性が見えてきたことも今回のワークショップの成果の一つです。

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ワークショップ終了後の集合写真。

 

 

 

 同日午後に開催した第二回アジア社会実装シンポジウム(Asia Symposium on Social Implementation through the Asian Research Network under the COVID-19 Pandemic: From Research to Practice)は、こちらからご覧ください。